2023年2月7日、Bruce Rose著 - 5分の閲読
USB規格を採用した未来のUSBアダプタ電源は、長年にわたって人気があり、今後数年間でさらに広く使用されるようになるでしょう。USB電源の将来の採用に貢献する重要なアクションの1つは、EU理事会が最近、2024年から特定クラスの消費者製品にUSB Type-Cポートの使用を義務付ける、ワンサイズ対応型の共通充電器指令を承認したことです。これは消費者製品のみを対象とした義務化ですが、このような製品にUSB電源を採用することは、多くの産業やその他の無関係な製品カテゴリで同様の採用に対して影響を及ぼす触媒となります。USB電源に対して「無視を決め込む」ことは、これまでそれほど問題にはならず、今後もやり過ごすことができるかもしれませんが、給電とUSBに関する知識を少し持てば、新たなUSB電源の多くのユーザーが抱える不満を排除するのに役立つでしょう。
現時点では、外部電源(ウォールマウントやデスクトップ)で機器に接続するために、多くの標準/非標準DC出力プラグが使用されています。多くの場合、ユーザーは外部電源を何台も持っており、「プラグが適合すれば、正しい電源アダプタであるはずだ」という概念のもとに、自分たちの機器に使用するアダプタを選択しています。こうしたやり方も大抵は通用しますが、間違ったアダプターが選択されて機器が損傷してしまうリスクもあります。
USB規格が1996年~2012年にリリースされたとき、USBの給電は単一電圧のみに制限されていました。USBが単一電圧のみで指定されていたために、あらゆるUSB機器はあらゆるタイプのUSB出力プラグ付きの電源に適切に接続することができました。すべてのUSB機器は供給USB電圧で適切に動作するように設計されていたからです。
約2012年後、USB規格は、元のUSB電源電圧に加え、複数の新しい電源電圧を導入しました。USBコンソーシアムは、各電圧レベルをサポートする固有プラグを定義するのではなく、USB機器がUSB電源と通信して、電源が供給する適切な電圧と電力レベルについてやり取りできるような通信プロトコルを定義しました。この新しいUSB通信プロトコルは、USB PD(Power Delivery)規格の一部で、ほとんどの場合、EU理事会が義務付けているUSB-Cプラグで実装されます。異なるプラグと通信規格を理解しようとするのは少々複雑であるため、USB Type-CプラグとUSB-PD通信プロトコルの組み合わせを単に「USB-C」と呼ぶことができるようになりました。
ユーザーが、「このUSB-Cプラグが適合すれば、機器に電源アダプタを使用することで発生する害はないはずだ」という姿勢を変えることができれば、それはUSB-Cシステムにとって朗報です。この短絡的な態度によるデメリットは、一部のUSB-C電源では依然としてUSB-C機器が適切に動作できないということです。機器が動作しないという問題が、USB-C電源の不良、USB-C機器の不良、またはUSB-C電源とUSB-C機器の不適切な組み合わせであるかどうかを決定するためには、USB-Cの基本を理解しておくと有益です。
電源(USB-Cを含む)の一般的な特徴の1つとして言われているのは、より低い電力出力を供給可能な電源が、より高い電力出力を供給可能な電源よりも小さく、軽く、かつ安価になるということです。これはユーザーにとって利点となり得ます。携帯電話の充電器はできるだけ軽量小型であることが好まれ、もし充電器が安価であれば、複数の場所に複数の備品を置いておく可能性があり、1個を頻繁に携帯する必要はありません。
低出力のUSB-C電源を選択することのデメリットは、機器に必要とされている出力電力レベルを提供していない可能性があることです。選択した電源が小さすぎると、装置は動作しません。この問題の簡単な解決策は、機器に対して大きめの電源を見つけることです。この解決策はシンプルですが、ある機器が動作しない場合に、ユーザーはその問題の原因が壁コンセントなのか、あるいは電源、電源と機器の間のプラグ、機器自体にあるのかを特定しなければならず、フラストレーションを抱きます。上記のように、問題が解決するまで壁コンセントと電源の異なる組み合わせを試す以外に、動作しない機器の問題源を決定できる簡単な解決策はありません。幸い、ほとんどの場合にユーザーは各機器に対して適切な電源はどれかををすばやく見出し、適切な電源を使用し続けることができます。
CUIを始めとする多くの電源ベンダーには、顧客アプリケーションに適した電源の選択を支援する知識豊富なサポートスタッフが揃っています。変更された電源の方が適切であるというケースもあり、ベンダーはこのような状況も支援できます。
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