2018年7月10日、Bruce Rose著 - 6分の閲読
LPS定格電源は、最大許容出力電圧、出力電流、および出力電力定格に適合する安全上の理由により設計されています。規制機関は、様々な一連の仕様に準拠する電源用識別子を作成してきました。LPS(制限電源)要件は、IEC 60950‑1基準で規定されており、上記で述べられた最大限の性能を持つ電源を定義するために使用されます。顧客にとってのLPS電源のメリットは、システム設置業者は、LPS認証モジュールで電力供給される負荷の配線や物理的設置に対して、より緩和された要件に従うことができることです。LPS電源用の基本仕様を理解することで、なぜ一部の電源がLPSとして認定され、その他は認定されないのかという疑問を説明できるようになります。
LPS認定された電源は、負荷に供給可能な出力電流と電圧に制限があることから、感電や火災を引き起こす可能性が低いと認識されています。以下は、固有の電力供給制限を持つLPS認定電源の仕様概要です。
VA = ボルト * アンペア
Voc = 開回路出力電力(無負荷)
固有の電力供給制限を持つLPS電源の特性については、次のグラフでも表されています。
A) ImaxおよびIsc
B) 100 VAに制限されたImax
C) 8 Aに制限されたIsc
D) 150/Vocに制限されたIsc
本質的有限電源は、上記に指定した制限に電源が適合するように、3つの方法のうちの1つを採用することができます。
このクラスの回路は内部コンポーネントが制限を超過して電力を供給することが不可能なため、制限された電力供給能力を確保するよう設計上考慮する必要はありません。電力供給能力を制限するコンポーネントの典型的な例は、絶縁変圧器の巻線抵抗です。適切に設計された電源では、電力供給能力を制限するコンポーネントは、それらが電力供給における制限要因である場合は影響を受けません。
従来の抵抗器やPTC抵抗器の形態のインピーダンスは、電源の電力供給能力を制限するために、電源導体を直列に配置することができます。従来の抵抗器は実装は簡単ですが、電源の変換効率の低下を引き起こす抵抗器の電力消失があるためこの目的ではほとんど採用されません。PTC抵抗器を使用することで、通常動作中に関連する電力損失を低減しながら、シンプルな実装を維持することができます。
この方法は、必要とされる集積回路の低コストと可用性により、最近の電源では一般的に使用されています。ただし、電源設計およびテストでは、必要な制限が通常および単一故障動作条件両方の間確実に遵守されるように注意を払う必要があります。
外部電流制御デバイスを持つ電源は、上記の電力供給を制限する3つの手段のひとつを含まなくてもLPSとして分類されます。電源は、負荷に供給できる電流を適切に制限するために過電流保護デバイス(すなわち、ヒューズや回路ブレーカ)を使用している場合は、LPS準拠として認定されることができます。電流制限デバイスは、ヒューズまたは非調節可能、非自動設定、電気機械デバイス(すなわち回路ブレーカー)である必要があります。ヒューズまたは回路ブレーカは、基準内で規定されている電流の210%と等しい電流を持つ回路を120秒以内に遮断する必要があります。以下は、非固有の電力供給制限を持つLPSとして認定された電源装置の仕様の要約です。
電流制限デバイス付きLPS電源の特性は、以下のグラフで表されています。
A) デバイスの制限電流を5 Aに制限する電流
B) デバイスの制限電力を100 VAに制限する電流
C) 1000 VA/Vocに制限されたデバイスを制限する電流なしの最大電流
D) 250 VAへの電流制限デバイスなしの最大電力
LPS規格への準拠は、通常、UL、CSA、TUVのような安全機関によって実施された試験結果付きの、電源の認証機関(CB)の計画報告書に含まれています。電源ラベルに「LPS」とマークすること自体はオプションで、CUIのほとんどのLPS適合モデルは以下の通りLPSマークを含んでいます。
LPS電源特性の表示は在り来たりで退屈だととらえられることがあるため(おそらくほとんどの文書等では好まれないでしょう)、この仕様が広まることでシステム設計ではよく求められがちな、同様に在り来たりで退屈なシステムの設計につながる可能性もあります。
この記事またはトピックに関するコメントを今後当社が取り上げるべきだと思いますか?
powerblog@cui.comにメールでご連絡ください。