2018年1月30日、CUI Inc著 - 3分の閲読
* 欧州連合の効率基準に関する最新情報については、Ecodesign 2019/1782規制の最新投稿をお読みください。
政府が二酸化炭素排出の制限に取り組み、消費者が現代のライフスタイルや使用する製品の環境的影響をこれまで以上に認識するにつれて、今後もさらに厳しいエネルギー効率規制が適用されるでしょう。外部電源や電源アダプタにかかる規制がその良い例です。
法律を作る規制機関は、近隣諸国に取り残されないよう日々切磋琢磨しており、外部電源の効率に関する法律は、近年様々な地域で飛躍的と言える進化を遂げてます。欧州では、行動規範(CoC)基準がますます厳しくなり、当初は任意の規定であったのが後に義務化されるという傾向が続いています。2014年に発表された、CoCティア1(米国エネルギー省(DOE)レベル6基準と同様)は、2017年に法的要件となる予定です。レベル6以上の要件を満たすCoCティア2は、2016年に任意の規定として公開されましたが、2018年1月以降に法律として施行される予定です。
しかし、CoCティア1もティア2も期待通りには施行されておらず、現在のところEU規制においても動きはありません。これは、電源メーカーや、最終製品と共に世界中に出荷するアダプターが対象市場向けに承認されていることを保証しなければならないOEMとって、つかの間の猶予期間と言えるかもしれません。この動向は、業界が電源設計や最新製品の在庫をアップデートするための追加の時間を必要としていることを意識しているように見えますが、一方で近い将来には、ティア2のより厳格な仕様がEUで義務化される可能性があります。
EUのCoCの枠組みは、独立した専門家、加盟国の代表者、業界代表者から成る欧州委員会共同研究センターの作業部会が開発を行っています。これは環境指向と技術的意見のコンセンサスを示しています。従って、この仕様の信頼性は高く、幅広いサポートが得られていると言えます。
しかし、それら非常に意欲的な内容で、DOEのレベル6の基準を超える非常に厳しいものとなります。どの程度厳しくなるかを理解するために、ネームプレート定格が50 Wから250 Wの間の電源アダプタを想像してみてください。無負荷電力の最大制限はCoCティア1で250 mW、レベル6の規定では210 mWですが、CoCティア2を満たすためにはさらに150 mW未満に引き下げる必要があります。25%、50%、75%および全負荷で測定された最小の平均効率限界は、10%の負荷で追加平均効率の測定が現時点で規定されている場合には要求がさらに厳しくなります。また、電源アダプタの様々なクラスでは、ネームプレート出力電圧が6 V以下、ネームプレート出力電流が550 mA以上の低電圧タイプなどの制限が定義されています。基本電圧電源の他のカテゴリには、低電圧タイプを除くすべてのアダプタが対象となります。
CoCティア2制限の詳細については、「効率基準」のホワイトペーパーを参照してください。
CUIでは、より高いティア2の目標を達成できることがすでに実証されています。高度なパワー半導体とスイッチング・コントローラ、回路トポロジの改善、軽負荷や無負荷の状態でスイッチング周波数を低減する設計により、効率要件を満たすほとんどの外部AC-DC電源が確実に現在のCoCティア2の効率規格に準拠しています。
OEMは世界中のすべての市場向けの製品対して適合する電源アダプタを確実に同梱・出荷しなければならないため、異なる地域に適用される基準間のバリエーション(自主的なものおよび一部は必須)は、OEMにとって困難な課題となっています。間違いを回避する最も簡単な方法は、一種類のアダプターのみを使い、常に最高基準を満たすことです。より高い基準が発表されると、その義務的な採用までにOEMには十分な時間が与えられており、現在の在庫を処理し、承認を受けたサプライヤーから適切なユニットが入手可能であることを仮定して、新基準に沿った新しい電源アダプタを調達します。
CUIは、最新の厳格な基準に準拠した新製品を規制に先立って導入しており、OEMがプロジェクトの遅延の最小限に抑え、高いコストの発生する在庫管理のミスを回避できるようにします。
2018年の当初から予測されていたように、CoCティア2の制限は現在の時点で義務付けられていませんが、電源メーカーやOEMは新しい仕様への準拠に向けてあらゆる努力を行なわなければなりません。移行が自発的なものから義務的で不可避のものとなった時点で、システムと在庫はその準備ができてなければならないからです。
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